当訪問看護ステーションスタッフのお客様対応事例を公開しています。
訪問看護ステーションでのターミナルケア事例

お客様の情報
- 年齢・性別:78歳・男性
- 疾患:末期肺がん(ステージIV)
- 家族構成:妻(75歳)と長男(遠方在住)
- 希望:「最後まで自宅で過ごしたい」
訪問看護導入の経緯
患者様は数ヶ月前に末期肺がんと診断され、入院治療を受けていました。しかし、本人の「住み慣れた自宅で最期を迎えたい」という強い希望と、奥様の「自宅でできる限り支えたい」という思いから、医師と相談の上、訪問看護によるターミナルケアを開始することになりました。
訪問看護の対応

- 疼痛管理
- 持続皮下注射によるモルヒネ投与を実施し、痛みをコントロール
- 痛みの変化に応じて医師と連携し、投与量を調整
- 不安時のレスキュー薬を準備し、適切なタイミングで使用
- 呼吸苦への対応
- 酸素療法の導入(在宅酸素療法:HOT)
- 呼吸が苦しい時の体位調整(上半身を少し起こすなど)
- リラクセーションや背部マッサージの実施
- 家族の精神的ケア
- 奥様へ看護のポイントを伝え、不安を軽減
- 介護負担が大きくならないよう、ヘルパーとの連携
- 定期的なカウンセリングや傾聴で精神的サポート
- 最期の迎え方の準備
- 病状の進行に伴い、看取りのタイミングを家族と相談
- 容態が急変した際の対応を家族と事前に確認
- 患者様が「ありがとう」と家族に伝えられるよう、コミュニケーションを支援
家族の声

患者様は自宅で穏やかに最期を迎え、息を引き取られました。
ご家族は、「本人の望みを叶えられてよかった」「訪問看護のおかげで安心して介護ができた」と感謝の言葉をくださいました。
特に奥様は、「ひとりでは乗り越えられなかったが、看護師さんが寄り添ってくれたことで、安心して夫を看取ることができた」と話されました。